WikiLinkGame は4択のクイズです。何も考えずに選んでも4回に1回は当たる計算ですから、「そんなに難しいはずがない」と思うかもしれません。ところが実際に遊んでみると、10問中5問正解できれば上出来、という手応えではないでしょうか。この「4択なのに難しい」感覚がどこから来るのか、出題する側の視点から種明かしをしてみます。
多くの人は、お題の記事と意味的に近そうな選択肢を選びたくなります。「作曲家」がお題なら音楽関係の選択肢、「城」がお題なら歴史関係の選択肢、という具合です。ところが、このゲームで問われているのは意味の近さではなく、リンクの近さです。この2つは重なることも多いのですが、ズレることも珍しくありません。記事本文がどんな言葉にリンクを張るかは、その記事の書かれ方次第だからです。たとえば人物記事の本文は、その人の専門分野よりも、出身地や生まれた年、卒業した学校に律儀にリンクを張っていたりします。意味の連想で選ぶと、このズレに足をすくわれるのです。
もうひとつの理由は、2クリックで届く範囲の広さです。1つの記事の本文には数十から数百のリンクがあり、その先のそれぞれにまた数十から数百のリンクがあります。単純に掛け算すれば、2クリック圏は数千から数万記事、ハブ記事を経由すればそれ以上に膨らみます。「これだけ広ければ、どの選択肢も届きそうだ」と感じるのは、実は正しい直感です。だからこそ不正解の選択肢は、その広い2クリック圏に入っていないことを機械的に確認して選ばれています(問題づくりの舞台裏はこちら)。もっともらしく見えて実は届かない——そういう記事だけが不正解の席に座っているのです。
では運任せかというと、そうではありません。鍵は、意味の連想からリンクの連想へ、頭を切り替えることです。「お題の本文には何が書かれているか。国名は? 年代は? 地名は?」と、記事の書かれ方を想像する。次に「その中継記事の本文から、どの選択肢に届きそうか」を考える。この二段構えの推理は、遊ぶほどに精度が上がっていきます。特に、多くの記事とつながる「ハブ記事」を意識できるようになると、正解率は目に見えて変わります。詳しくは攻略のコツのコラムにまとめています。
最後に、出題者としての本音を言えば、このゲームは全問正解してもらうことを目指して作っていません。自信を持って選んだ選択肢が外れ、「え、こっちがつながってるの?」と経路を確かめに行く——その驚きと発見までがワンセットです。回答後にはどの選択肢からでも Wikipedia の記事を開けるようにしてあるので、外れたときこそ、ぜひ経路をたどってみてください。意外なつながりを一つ知って戻ってくれば、それはもう負けではないと思うのです。